はじめに

PS3を買ったので、何をするというわけでもないが「そこにLinuxを入れられる環境があれば入れてみたい」というのがLinuxマニアの常なの で、さっそくインストールしたのでそれを記録してみました。
FedoraとUbuntuを試してみたのだが、Fedoraはちょっと重すぎるのでUbuntuをお勧めします。 UbuntuでもXFceデスクトップ環境のXubuntuを使います。
Xubuntuの最新バージョンは 9.10 Karmic Koala だが、インストール直後の起動時にrootパーティションがマウントできず起動できない不具合があり現在調査中だがまだ解決には至っていないので、 Xubuntu 9.04 Jaunty Jackalope をインストールすることとする。

目次
PS3の設定
Xubuntuのインストール
初期設定

PS3の設定

PS3ハードディスクの設定変更:
まず、現在のディスクにXubuntuをインストールする領域を確保します。 このとき、現在のゲームのセーブデータやトロフィーなどの情報は削除されてしまうので、なくなって困る物はUSBスティックやUSB外付けハードディスク にバックアップしておき設定後戻します。
設定→本体設定→フォーマットユーティリティー→ハードディスクのフォーマット→はい→カスタム→他のシステムに10GBを割り当てる→クィックフォー マット→はい、で完了。
ブートローダーのインストール:
起 動時にOS選択ができるようにブートローダーをインストールします。 個人的にはアイコンから起動でき、PS3のコントローラも使えるpdaXromの方が好きですが、残念ながらext4ファイルシステムをサポートしていな いのでext4を採用した9.10を入れたいと云う方はps3-petitbootを使用してください。 それぞれ次のところからダウンロードできます。
http://sourceforge.net/projects/pdaxrom/files/
http://www.kernel.org/pub/linux/kernel/people/geoff/cell/ps3-petitboot/
ここから最新の.bldファイルをダウンロードし、USBスティックに /PS3/otheros/フォルダを作りその中に "oheros.bld"としてコピーします。
起動中のPS3にこのUSBスティックを挿入し
設定→本体設定→他のOSのインストール→はい、でインストール完了です。

Xubuntuのインストール

isoファイルのダウンロードとインストールディスクの作成:
こ こからxubuntu-9.04-alternate-powerpc+ps3.isoをダウンロードしCDを作ります。 RWを使った方が経済的です。
インストール:
作成したCDをロードして、USBキーボードを接続し、
設定→本体設定→優先起動システム→他のシステム→はい、でブートローダーを起動させます。
コントローラアイコンとCDアイコンが表示されるのでCDアイコンを選択してEnterを押します。
インストーラーが起動するので後は通常のインストールと同じようにインストールします。

初期設定

最新への更新:
インストールが完了したら再起動し、ブートローダのハードディスクアイコンを選択してXubuntuを起動させます。
インストール時に作成したユーザーでログインするとしばらくして更新の知らせが来るので、すべて最新に更新して再起動します。
ディレクトリ名を英語に戻す:
Fedoraのところでもやりましたが、ディレクトリやファイル名を日本語にするのは嫌いなので英語に戻します。
LANG=C xdg-user-dirs-update --force
User ID番号の変更:
FedoraやVineなどと一緒にネットワークを組んでいるとUser IDのスタート番号がFedoraなどのRedHat系は500から、UbuntuのようなDebian系は1000からと違うのでnfsやftpなどで パーミッション関連のエラーを頻発してしまいます。 Ubuntuユーザーに言わせるとRed Hatが特殊なことをやっているのだからそっちを変えろとかいって埒があかないようですが、現実的には鬱陶しいのでどちらを変えてもいいのですが多数決で (うちはFedoraとVineが主流)Ubuntuの方を変えてしまいます。
まず、/etc/login.defs の UID_MIN が1000になっているので500に変更。 次に /etc/group の自分のGroupIDを1000から500に変更。
最後に /etc/passwd の自分のIDを1000:1000 から 500:500 に変更する。
この時点で sudo ができなくなるので ctrl+alt+f1 で一旦テキストモードに抜けて再度ログインする。 ホームディレクトリが使えなくなっているのでパーミッションを変更し、再起動する。
sudo chown -R username /home/username
sudo reboot 
タイムゾーンの変更:
日本語でインストールするとタイムゾーンが勝手に日本になってしまうので変更。
sudo dpkg-reconfigure tzdata
解像度設定:
デフォルトのままだと解像度の設定は低解像度(私の場合はHDTVなので1124x644)でさらに回りに黒い帯が出たものになっている。
PS3の解像度はこの黒い帯が出た画面と、映像用の画面をはみ出た解像度の2種類が選べるようになっているがどちらも気に入らないのでスクリーンの大きさぴったり になる様に調整する。
まず、解像度を変更するプログラムをインストールする。
sudo apt-get install fbset
次に、ctrl+alt+f1でテキストモードに移行してログインし、次のコマンドでX serverを止めます。
sudo /etc/init.d/gdm stop
fbsetプログラムは解像度を小さくすることはできるが大きくすることができないので、まずはみ出し解像度に変更します。 私の場合は1080pなので以下のようになりますが、133を720pのときは131、1080iのときは132に変更してください。
sudo ps3-video-mode -v 133
これを実行すると、テキストがはみ出して自分の打ったコマンドが見えなくなりますので次からのコマンドは慎重に入れてください。上のコマンド をいれた時点で解像度は2048x1080になっているので、これよりも小さい値を入れれば画面が小さくなります。 私の場合は下記値で画面いっぱいになりましたが最初は調整の必要があります。
sudo fbset -a -xres 1868 -yres 1054
コマンドを入れると画面の大きさが変わり、文字が見えるようになります。 startxでX serverを起動して画面を確認して気に入らなければ繰りかえしてください。
満足のいく値になったらその値を使って/etc/init.d/fbset.shと言うファイルを作成します。
#!/bin/sh -e
fbset -a -xres 1868 -yres 1054 -vxres 1868 -vyres 1054
exit 0
ファイルの属性を実行可に変更します。
sudo chmod 755 /etc/init.d/fbset.sh
このファイルをrc2.dに登録します。
sudo ln -s /etc/init.d/fbset.sh /etc/rc2.d/S26fbset
さらに、起動時にはみ出し解像度になるように/boot/etc/kboot.confを変更します。 linux=という行のquietの前にvideo=ps3fb:mode:133を追加します。
再起動すれば画面ちょうどの高解像度になるはずです。 起動時にテキストがはみ出してしまうのと、そのテキストのフォントが汚いのが今後の課題です。

更新履歴

2010年3月9日   ユーザID番号の変更を追加
2010年3月8日   新規作成